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  • 会社売却の税金計算方法|株式譲渡の所得税・節税策を解説

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    結論から先に

    この記事で分かること

    • 会社売却(株式譲渡)にかかる税金の種類と税率
    • 【シミュレーション】会社売却の税金計算方法
    • 会社売却の税金を抑えるための3つの方法
    • 会社売却後の税金申告・納税の手続き
    • 会社売却の税金に関する注意点

    会社売却(株式譲渡)にかかる税金の種類と税率

    中小企業のM&Aで最も多く用いられる「株式譲渡」の手法で会社を売却する場合、オーナー経営者などの個人株主が得た利益(譲渡所得)に対して税金がかかります。 この所得は給与所得や事業所得とは分けて計算される「申告分離課税」の対象となり、税率は所得の金額にかかわらず一律です。

    具体的な税率の内訳は以下の通りです。

    • 所得税: 15%
    • 復興特別所得税: 0.315%(所得税額の2.1%)
    • 住民税: 5%

    合計税率は20.315%となります。 例えば、株式売却による利益が1,000万円でも1億円でも、適用される税率は原則として同じです。 これは、他の所得と合算して税率が上がる総合課税(最高税率 約55%)と比べて、税負担が抑えられる仕組みになっています。

    【シミュレーション】会社売却の税金計算方法

    会社売却でかかる税金は、売却金額の総額ではなく、売却によって得られた「利益」に対して課税されます。 この利益を「譲渡所得」と呼び、以下の計算式で算出します。

    譲渡所得 = 売却価格(総収入金額) – 必要経費(取得費 + 譲渡費用)

    そして、算出された譲渡所得に税率を掛けることで、最終的な税額が確定します。

    税額 = 譲渡所得 × 20.315%

    ① 売却価格(譲渡価額)

    売却価格とは、株式を買い手に譲渡した対価として受け取る金額の総額です。 M&Aの交渉を経て、最終的に株式譲渡契約書に記載された金額がこれにあたります。

    ② 取得費(株式の取得にかかった費用)

    取得費は、売却した株式を手に入れるために要した費用です。 具体的には、以下のようなものが含まれます。

    • 会社設立時の出資金(資本金): 自身で会社を設立した場合の元手。
    • 他人から株式を購入した際の購入代金: 過去に第三者から株式を買い取った場合の費用。
    • 購入時の手数料や名義書換料など: 株式取得に付随して支払った費用。

    【取得費がわからない場合】
    創業から時間が経っているなどの理由で、設立時の定款や出資金の証明書類が見つからず、取得費が不明な場合があります。 その場合、税法上「売却価格の5%」を概算取得費として計上することが認められています。 しかし、この方法を用いると実際の取得費より大幅に低く計算され、結果として譲渡所得が大きくなり、税負担が重くなる可能性が高い点に注意が必要です。 例えば、1億円で会社を売却した場合、取得費はわずか500万円とみなされてしまいます。 可能な限り、当時の資料を探し出し、実際の取得費を証明することが節税の第一歩です。

    ③ 譲渡費用(売却のために直接かかった費用)

    譲渡費用は、株式を売却するために直接支払った経費を指します。 これらを漏れなく計上することが、譲渡所得を圧縮し、税金を抑える上で重要です。 主な譲渡費用には以下のようなものがあります。

    • M&A仲介会社やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)への手数料: 着手金、中間金、成功報酬など。
    • デューデリジェンス(買収監査)の対応費用: 買い手が行う調査に協力するために自社で専門家(弁護士や会計士など)に依頼した場合の費用。
    • 弁護士費用: 株式譲渡契約書の作成やレビューを依頼した費用など。
    • その他: 株式価値算定費用など、売却に直接関連する費用。

    具体的な計算例

    それでは、具体的な数値を当てはめて税額をシミュレーションしてみましょう。

    【ケース1:基本的な計算】

    • 売却価格: 2億円
    • 取得費(資本金): 1,000万円
    • 譲渡費用(M&A仲介手数料など): 800万円

    1. 譲渡所得の計算
    2億円 – (1,000万円 + 800万円) = 1億8,200万円

    2. 税額の計算
    1億8,200万円 × 20.315% = 36,973,300円

    この場合、納税額は約3,697万円となります。

    【ケース2:取得費が不明な場合】

    • 売却価格: 2億円
    • 取得費: 不明のため、売却価格の5%を適用 → 2億円 × 5% = 1,000万円
    • 譲渡費用: 800万円

    1. 譲渡所得の計算
    2億円 – (1,000万円 + 800万円) = 1億8,200万円

    2. 税額の計算
    1億8,200万円 × 20.315% = 36,973,300円

    この例では、たまたま資本金と概算取得費が同額だったため税額は変わりませんでしたが、もし実際の資本金が3,000万円だった場合、取得費を証明できなければ譲渡所得が2,000万円増え、税額も約406万円(2,000万円 × 20.315%)増加してしまいます。

    会社売却の税金を抑えるための3つの方法

    株式譲渡にかかる税金は、いくつかの方法を検討することで負担を軽減できる可能性があります。特に「役員退職金」の活用は、多くのM&Aで用いられる代表的な節税策です。

    1. 役員退職金の活用

    会社売却(株式譲渡)のタイミングでオーナー経営者が退任する場合、譲渡対価の一部を「役員退職金」として会社から受け取る方法があります。 なぜなら、退職金(退職所得)は株式譲渡所得よりも税制面で大きく優遇されているためです。

    【退職所得の税制優遇】

    • 退職所得控除: 勤続年数に応じて、税金がかからない控除枠が設けられています。
    • 2分の1課税: 退職金から退職所得控除を引いた残額を、さらに半分にしてから税率を計算します(勤続年数5年超の場合)。
    • 分離課税: 他の所得と合算されず、退職所得だけで税額が決まります。

    退職所得控除額の計算式は以下の通りです。

    • 勤続年数20年以下: 40万円 × 勤続年数
    • 勤続年数20年超: 800万円 + 70万円 × (勤続年数 – 20年)

    例えば、勤続30年の経営者が5,000万円の役員退職金を受け取る場合、退職所得控除は1,500万円(800万円 + 70万円 × 10年)です。 課税対象は(5,000万円 – 1,500万円)× 1/2 = 1,750万円となり、これに所得税の累進税率が適用されます。 同じ金額をすべて株式譲渡益として受け取る場合に比べて、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

    ただし、不相当に高額な役員退職金は税務署から否認されるリスクがあるため、役員の最終報酬月額や勤続年数、功績倍率(代表取締役で3倍程度が目安)などから算定される適正な範囲内で設定する必要があります。 どの程度の金額を退職金として受け取るのが最適か、専門家と相談しながらシミュレーションすることが不可欠です。

    2. M&A仲介手数料などの譲渡費用を漏れなく計上する

    前述の通り、M&A仲介手数料や弁護士費用などの譲渡費用は、課税対象となる譲渡所得を減らすための重要な控除項目です。 これらの費用を証明する契約書や領収書は、必ず保管しておきましょう。どのような費用が譲渡費用に含まれるか不明な場合は、M&Aの専門家や税理士に確認することが重要です。まずは自社の売却相場を把握し、どのような専門家のサポートが必要か検討するために、無料の相場診断などを活用するのも一つの手です。
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    3. 事業承継税制の特例措置を活用する

    事業承継税制は、後継者への株式の承継にかかる贈与税や相続税の納税が猶予・免除される制度です。主に親族内承継で活用されますが、一定の要件を満たせば第三者への承継(M&A)でも利用できる場合があります。ただし、適用要件が複雑であり、すべてのM&Aで使えるわけではありません。特に、株式を売却して現金を得る一般的なM&Aでは対象外となることが多いため、あくまで選択肢の一つとして、制度に詳しい専門家への相談が必要です。

    会社売却後の税金申告・納税の手続き

    株式を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、原則として確定申告が必要です。

    確定申告の時期

    申告と納税は、株式を売却した(引き渡した)年の翌年2月16日から3月15日までに行います。

    必要書類

    確定申告には、主に以下の書類が必要です。

    必要書類

    • ✓確定申告書 第一表、第二表
    • ✓確定申告書 第三表(分離課税用)
    • ✓株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書

    このほか、M&Aの契約書や仲介手数料の領収書など、売却価格や必要経費を証明する書類を手元に準備しておきましょう。

    会社売却の税金に関する注意点

    取得費を証明する書類の保管

    繰り返しになりますが、取得費を証明できなければ、売却価格の5%で計算された不利な条件で課税される可能性があります。 会社設立時の定款、出資を証明する通帳の記録など、取得費の根拠となる書類は大切に保管してください。

    高額所得者への追加課税(ミニマムタックス)

    2025年(令和7年)分の所得税から、年間所得が非常に高い富裕層を対象とした追加課税制度(通称:ミニマムタックス)が導入されています。 株式譲渡所得を含む合計所得金額が一定額(基準所得金額から3.3億円を控除した金額)を超える場合、その超過分に22.5%の税率を乗じた金額が追加で課税される可能性があります。 さらに、2027年(令和9年)分からはこの制度が強化される予定です。 非常に大きな規模のM&Aを行う場合は、この制度の影響も考慮に入れる必要があります。

    専門家への相談

    会社売却の税務は非常に専門的で、判断を誤ると数百万円、数千万円単位で手取り額が変わることもあります。 特に、役員退職金の金額設定や、どこまでが譲渡費用として認められるかといった点は、税務調査で指摘されやすいポイントでもあります。 必ずM&Aに詳しい税理士やアドバイザーに相談しながら進めるようにしましょう。信頼できる専門家を見つけるためにも、まずは自社の価値がどのくらいになるのか、客観的な相場を知ることから始めるのが賢明です。
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    まとめ

    会社売却(株式譲渡)によって個人が得た利益には、合計20.315%の税金がかかります。 この税額は、売却価格から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いた譲渡所得を正確に計算することで、適切にコントロールすることが可能です。 特に、取得費を証明する書類の準備と、M&A仲介手数料などの譲渡費用を漏れなく計上することが重要です。

    さらに、オーナー経営者が退任する場合には、譲渡対価の一部を「役員退職金」として受け取ることで、税制上有利な退職所得控除などを活用し、手取り額を最大化できる可能性があります。 ただし、これらの節税策は専門的な判断を要するため、実行にあたっては必ずM&Aと税務に精通した専門家に相談し、ご自身の状況に合わせた最適なプランを検討することが成功の鍵となります。

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  • 個人事業主の事業譲渡にかかる税金|計算方法と節税のポイント

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    結論から先に

    この記事で分かること

    • 個人事業主の事業譲渡で発生する主な税金
    • 【具体例】事業譲渡の税金シミュレーション
    • 事業譲渡の税金を抑えるためのポイント
    • 事業承継の相談先と準備の重要性

    個人事業主の事業譲渡で発生する主な税金

    個人事業主がM&A(第三者への売却)で事業を譲渡する場合、法人とは異なる税金がかかります。特に大きな負担となりうるのが「所得税」と「消費税」です。譲渡後に「想定外の税金で手元にお金が残らなかった」という事態を避けるため、事前に仕組みを理解しておくことが重要です。

    所得税・住民税

    個人事業主が事業を譲渡して得た利益は「譲渡所得」として、所得税・住民税の課税対象となります。 ポイントは、譲渡する資産の種類によって課税方法が「総合課税」と「分離課税」に分かれる点です。

    • 総合課税:給与所得や事業所得など、他の所得と合算して税額を計算する方法。所得が多いほど税率が高くなる「累進課税」が適用され、税率は最大で約55%(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)に達します。
    • 分離課税:他の所得とは合算せず、分離して税額を計算する方法。土地や建物、株式などの譲渡で適用されます。

    事業譲渡において特に注意が必要なのが、目に見えない価値である「営業権(のれん)」です。 営業権の譲渡益は総合課税の対象となるため、他の所得と合算した結果、高い税率が適用される可能性があります。

    譲渡所得の基本的な計算式は以下の通りです。

    譲渡所得 = 譲渡価額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額(最大50万円)

    この計算で算出された譲渡所得が、他の所得と合算されて所得税が計算されます。

    消費税

    事業譲渡では、譲渡する資産に対しても消費税がかかります。 ただし、すべての資産が課税対象となるわけではありません。

    • 課税対象となる資産の例:建物、機械装置、車両、棚卸資産(商品や在庫)、ソフトウェアなどの無形固定資産、そして営業権(のれん)
    • 非課税となる資産の例:土地、売掛金や貸付金などの債権、有価証券

    消費税の納税義務があるのは、原則としてその年の前々年の課税売上高が1,000万円を超える「課税事業者」です。 自身が課税事業者である場合、買い手から預かった消費税を国に納付する必要があります。 譲渡対価に消費税が含まれるのかどうか、また資産ごとの内訳を契約書に明記しておくことが、後のトラブルを防ぐ上で重要です。

    【具体例】事業譲渡の税金シミュレーション

    実際にどれくらいの税金がかかるのか、簡単なモデルケースで見てみましょう。

    【前提条件】

    • 個人事業主(課税事業者)
    • 事業譲渡以外の所得(事業所得など):600万円
    • 譲渡対価:2,500万円
    • 譲渡資産の内訳:
      • 建物(取得費300万円):800万円
      • 機械(取得費100万円):200万円
      • 営業権(のれん):1,500万円
    • 譲渡費用(M&A仲介手数料など):250万円

    1. 消費税の計算

    まず、買い手から預かり、納税する必要がある消費税を計算します。課税資産は建物、機械、営業権の合計です。

    • 課税資産の合計額:800万円 + 200万円 + 1,500万円 = 2,500万円
    • 消費税額:2,500万円 × 10% = 250万円

    2. 所得税の計算(譲渡所得)

    次に、所得税の対象となる譲渡所得を計算します。ここでは簡略化のため、建物・機械の減価償却は考慮しません。

    • 譲渡価額:2,500万円
    • 取得費:300万円(建物) + 100万円(機械) = 400万円
    • 譲渡費用:250万円
    • 譲渡所得:2,500万円 – (400万円 + 250万円) – 50万円(特別控除) = 1,800万円

    3. 所得税・住民税の総額(概算)

    この譲渡所得(1,800万円)は総合課税の対象となり、他の所得(600万円)と合算されます。

    • 総所得金額:1,800万円 + 600万円 = 2,400万円

    この2,400万円に対して所得税・住民税が課されます。所得控除などを考慮しない場合、所得税(税率40%)と住民税(税率10%)を合わせると、税額は1,000万円を超える可能性があります。実際には各種控除があるため金額は変動しますが、非常に大きな負担となることがわかります。

    事業譲渡の税金を抑えるためのポイント

    高額になりがちな税負担を軽減するためには、いくつかの方法が考えられます。

    取得費や譲渡費用を漏れなく計上する

    譲渡所得を計算する上で、譲渡価額から差し引くことができる「取得費」と「譲渡費用」を正確に把握し、計上することが節税の基本です。M&A仲介会社に支払った手数料なども譲渡費用に含まれます。 過去の資料を確認し、漏れがないようにしましょう。

    法人成りしてから株式譲渡する方法を検討する

    個人事業主の事業譲渡で税金が高くなる大きな要因は、営業権(のれん)などが累進課税の「総合課税」の対象となる点です。 もし、事業を法人化(法人成り)してから、その会社の株式を譲渡する「株式譲渡」という手法をとれば、税金の計算方法が変わります。

    株式譲渡の場合、譲渡益に対してかかる税金は、所得税・住民税などを合わせて一律約20%の「申告分離課税」です。 譲渡益がどれだけ高額になっても税率は変わりません。先のシミュレーションのように譲渡益が大きくなるケースでは、事業譲渡よりも株式譲渡のほうが手元に残る金額が多くなる可能性があります。

    ただし、法人成りには設立費用や手間がかかるほか、すぐに売却できるわけではないため、タイミングを慎重に判断する必要があります。 どちらの手法が有利かは、事業の状況や譲渡価額によって異なります。会社の価値を簡易的に知りたい場合は、無料の相場診断を試すのも一つの方法です。

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    個人版事業承継税制を検討する(親族内承継の場合)

    第三者へのM&Aではなく、親族などに事業を引き継ぐ場合は「個人版事業承継税制」の活用も選択肢になります。 これは、一定の要件を満たすことで、事業用資産にかかる贈与税や相続税の納税が猶予・免除される制度です。 ただし、適用期間が定められており、2028年12月31日までの贈与・相続が対象で、事前に「個人事業承継計画」を都道府県に提出する必要があります。 制度の適用要件は複雑なため、税理士などの専門家への相談が不可欠です。

    事業承継の相談先と準備の重要性

    個人事業主の事業譲渡は、税金の計算が複雑で、どの手法を選択するかによって手元に残る金額が大きく変わります。自己判断で進めると、思わぬ税務リスクを負うことになりかねません。

    事業の売却を考え始めたら、早い段階で税理士やM&Aの専門家に相談することが重要です。 税理士は税務の観点から最適な節税策を、M&A仲介会社はより良い条件で売却するための戦略を提案してくれます。

    M&Aを具体的に検討するなら、まずは自社の価値を知ることから始まります。NexoValueの無料相場診断で、大まかな売却額の目安を確認してみてはいかがでしょうか。

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    まとめ

    個人事業主が事業譲渡を行う際には、主に「所得税・住民税」と「消費税」が課されます。特に、営業権(のれん)の譲渡益は他の所得と合算される総合課税の対象となるため、所得が多いほど税率が高くなり、税負担が大きくなる傾向があります。 また、建物や機械、営業権などの課税資産を譲渡する際には、消費税の納税も必要です。

    税負担を抑えるためには、法人成りをしてから株式譲渡(税率約20%)を行う方法も有効な選択肢ですが、法人化のタイミングなどを慎重に見極める必要があります。 いずれにせよ、税金の計算は複雑であり、最適な選択は個々の状況によって異なります。後悔しない事業承継を実現するためにも、早い段階から税理士やM&Aの専門家といったプロに相談し、計画的に準備を進めることが成功の鍵となります。

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  • 会社の廃業手続きの流れ|解散・清算の費用・期間・必要書類

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    結論から先に

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    • 会社の廃業とは?解散・清算との違い
    • 会社の廃業(解散・清算)手続きの流れと期間
    • 会社の廃業にかかる費用の目安
    • 廃業を決める前にM&A(第三者への売却)も検討を

    会社の廃業とは?解散・清算との違い

    会社の経営をやめることを一般的に「廃業」といいます。 後継者不在や事業の先行き不安など、理由はさまざまです。 廃業は、法的に会社を消滅させるための手続きであり、単に事業活動を停止する「休眠」とは異なります。

    法人格を消滅させるためには、会社法に定められた「解散」と「清算」という2つの段階的な手続きを踏む必要があります。

    • 解散:会社の営業活動を停止し、清算手続きに入るためのステップです。 解散しただけでは法人格は消滅しません。
    • 清算:解散した会社の財産(資産・負債)を整理する手続きです。 売掛金の回収や資産の売却を行い、買掛金や借入金を弁済します。 全ての整理が終わった後、残った財産(残余財産)を株主に分配します。

    この清算手続きが完了し、「清算結了登記」を行うことで、会社の法人格は完全に消滅します。 つまり、「廃業 = 解散 + 清算」という関係になります。

    なお、会社の資産で負債を返済しきれない「債務超過」の場合は、通常の清算手続きではなく、裁判所の監督下で行う「特別清算」や「破産」といった手続きが必要になります。

    会社の廃業(解散・清算)手続きの流れと期間

    株式会社が自主的に廃業する場合(株主総会の決議による解散)の、一般的な手続きの流れは以下の通りです。全体としては、最短でも3ヶ月程度、通常は半年から1年ほどかかります。 特に、債権者保護のための官報公告に最低2ヶ月を要します。

    1. 株主総会での解散決議と清算人の選任
    2. 解散・清算人の登記申請【決議から2週間以内】
    3. 関係各所への解散の届出
    4. 官報での解散公告と債権者への催告【2ヶ月以上の期間が必要】
    5. 財産目録・貸借対照表の作成と株主総会での承認
    6. 解散確定申告【解散日から2ヶ月以内】
    7. 債務の弁済と残余財産の確定
    8. 残余財産の分配
    9. 決算報告書の作成と株主総会での承認
    10. 清算結了の登記申請【承認から2週間以内】
    11. 関係各所への清算結了の届出
    12. 清算確定申告【残余財産確定日から1ヶ月以内】

    1. 株主総会での解散決議と清算人の選任

    まず、株主総会を招集し、会社を解散することを決議します。 解散決議は「特別決議」が必要で、議決権の過半数を持つ株主が出席し、その議決権の3分の2以上の賛成がなければなりません。 この場で、解散後の清算手続きを担当する「清算人」も選任します。 多くの場合、解散前の代表取締役がそのまま清算人に就任します。

    2. 解散・清算人の登記申請【決議から2週間以内】

    株主総会での解散決議の日から2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局へ「解散の登記」と「清算人選任の登記」を申請します。 これにより、会社が清算手続きに入ったことが公的に示されます。

    【必要書類の例】

    • 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
    • 株主総会議事録
    • 定款
    • 株主リスト
    • 清算人の就任承諾書
    • 清算人の印鑑証明書
    • (代理人に依頼する場合)委任状

    3. 関係各所への解散の届出

    登記手続きと並行して、税務署、都道府県税事務所、市町村役場へ「異動届出書」を提出し、会社が解散したことを届け出ます。 この際、解散の登記が記載された登記事項証明書(履歴事項全部証明書)の添付が必要です。 その他、事業内容に応じて社会保険や労働保険に関する手続きも行います。

    4. 官報での解散公告と債権者への催告

    会社の債権者(金融機関、仕入先など)に対して、会社が解散したことを知らせ、債権を申し出るよう促す手続き(債権者保護手続き)を行います。 具体的には、国が発行する「官報」に解散公告を掲載します。 公告には、債権者が債権を申し出る期間を記載する必要があり、その期間は2ヶ月以上設けなければなりません。 知れている債権者には、個別に通知を送る必要もあります。

    5. 財産目録・貸借対照表の作成と株主総会での承認

    清算人は、就任後すみやかに会社の財産を調査し、財産目録と貸借対照表を作成します。 作成した書類は株主総会に提出し、承認を得る必要があります。

    6. 解散確定申告【解散日から2ヶ月以内】

    会社は、事業年度の開始日から解散日までを1つの事業年度(解散事業年度)とみなし、法人税等の確定申告を行う必要があります。 この申告と納税は、解散日の翌日から2ヶ月以内に行わなければなりません。

    7. 債務の弁済と残余財産の確定

    官報公告で定めた申出期間が終了した後、清算人は会社の債務を弁済していきます。 売掛金を回収し、不動産や在庫などの資産を売却して現金化し、その資金で買掛金や借入金などを支払います。 全ての債務を弁済し終えて、最終的に残った財産が「残余財産」となります。

    8. 残余財産の分配

    確定した残余財産を、各株主の持ち株比率に応じて分配します。 この際、分配額が資本金等の額を超える部分は「みなし配当」として所得税の課税対象となるため、源泉徴収が必要です。

    9. 決算報告書の作成と株主総会での承認

    清算事務がすべて完了したら、清算人は決算報告書を作成します。 この決算報告書を株主総会に提出し、承認を得ます。 この承認をもって、会社の清算手続きは実質的に結了します。

    10. 清算結了の登記申請【承認から2週間以内】

    株主総会で決算報告書の承認を受けてから2週間以内に、法務局へ「清算結了の登記」を申請します。 この登記が完了すると、会社の登記記録は閉鎖され、法人格が法的に完全に消滅します。

    11. 関係各所への清算結了の届出

    清算結了登記が完了したら、税務署などに「異動届出書」を提出し、清算が結了したことを届け出ます。 これで、法人としての納税義務などがすべて終了します。

    12. 清算確定申告【残余財産確定日から1ヶ月以内】

    残余財産が確定した事業年度(残余財産確定事業年度)についても、確定申告が必要です。 この申告は、残余財産が確定した日の翌日から1ヶ月以内に行う必要があり、期限の延長は認められないため注意が必要です。

    会社の廃業にかかる費用の目安

    会社の廃業には、少なくとも登記費用や官報公告費用などの実費がかかります。 それに加えて、手続きを専門家に依頼する場合はその報酬も必要です。

    実費

    • 登録免許税:合計41,000円(解散及び清算人選任登記に39,000円、清算結了登記に2,000円)が必要です。
    • 官報公告費用:掲載する行数によって変動しますが、おおよそ3万円〜4万円程度です。

    専門家への報酬

    登記手続きを司法書士に、税務申告を税理士に依頼するのが一般的です。 依頼する範囲にもよりますが、司法書士への報酬は8万円〜12万円程度、税理士への報酬は8万円〜数十万円が目安とされています。

    債務超過の可能性がある場合や、法的なトラブルが予想される場合は、弁護士への相談も選択肢となります。

    廃業を決める前にM&A(第三者への売却)も検討を

    後継者不在や事業の将来性への不安から廃業を考えている場合でも、すぐに決断するのは早いかもしれません。自社では価値がないと思っていても、他社にとっては魅力的な技術、顧客、ノウハウ、許認可を持っている可能性があります。

    廃業には費用と時間がかかり、従業員の雇用や取引先との関係も失われます。しかし、M&Aによって会社や事業を第三者に売却できれば、これらの資産を未来につなぐことができます。創業者利益を確保し、従業員の雇用を守り、取引先との関係も維持できる可能性があります。

    「うちの会社に値段がつくはずがない」と思い込む前に、一度、自社の価値を客観的に把握してみてはいかがでしょうか。NexoValueでは、無料で会社や事業の売却相場を診断するサービスを提供しています。廃業という最終決断を下す前に、ぜひ一度お試しください。

    会社・事業の売却相場診断(NexoValueの自社ページ・無料)

    また、国も事業承継を後押ししており、「事業承継・引継ぎ補助金」などの制度があります。 この補助金には、M&Aの専門家活用費用だけでなく、M&Aが成立せずに廃業する場合の費用を補助する「廃業・再チャレンジ事業」といった枠組みも用意されています。 こうした制度の活用も視野に入れ、最適な選択肢を検討することが重要です。

    まとめ

    会社の廃業は、法的な手続きを正確に、順序立てて進める必要があります。 株主総会の特別決議から始まり、解散・清算人の登記、債権者保護手続き、複数回にわたる確定申告、そして最後の清算結了登記まで、多くのステップが存在します。 費用も、登録免許税や官報公告費用といった実費だけで7万円以上かかり、専門家に依頼すればさらに報酬が必要となります。 最短でも3ヶ月以上かかる長期的なプロセスになるため、計画的に進めることが不可欠です。

    一方で、廃業は最終手段です。その前に、M&Aによる事業承継の可能性を探ることで、従業員の雇用や取引先との関係を守り、経営者自身も利益を得られる道が開けるかもしれません。まずは自社の価値を無料で診断し、あらゆる選択肢を検討することをおすすめします。

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  • 個人事業主の事業譲渡|手続きの流れと必要書類を解説

    【広告表示について】当サイトはアフィリエイト広告により運営しています。本記事には広告リンクは含まれていません。広告を掲載する記事には冒頭にその旨を表示します。

    結論から先に

    この記事で分かること

    • 事業譲渡とは?個人事業主が会社を売却する方法
    • 個人事業主の事業譲渡|手続きの6つのステップ
    • 事業譲渡で必要になる主な書類
    • 個人事業主の事業譲渡にかかる税金
    • 事業譲渡を成功させるための注意点

    事業譲渡とは?個人事業主が会社を売却する方法

    個人事業主が事業を第三者に引き継ぐ場合、一般的に「事業譲渡」という手法が用いられます。 法人のように株式を譲渡する方法とは異なり、事業譲渡では事業に関する資産や権利義務を個別に選んで売買します。 これには、店舗や設備などの有形資産だけでなく、取引先との契約、従業員、ブランド、ノウハウといった無形の資産も含まれます。

    後継者不足に悩む個人事業主にとって、事業譲渡は廃業コストをかけずに事業を存続させ、創業者としての利益を確保できる有効な選択肢です。 買い手側にとっても、ゼロから起業するよりもリスクを抑えてスピーディーに事業を開始できるメリットがあります。 この記事では、個人事業主が事業譲渡を行う際の具体的な手続きの流れ、必要書類、税金、注意点を解説します。

    個人事業主の事業譲渡|手続きの6つのステップ

    事業譲渡は、一般的に3ヶ月から1年程度の期間を要し、計画的に進めることが重要です。 以下に、基本的な手続きの流れを6つのステップで解説します。

    ステップ1:専門家への相談と準備

    事業譲渡を考え始めたら、まずはM&A仲介会社や事業引継ぎ支援センター、顧問税理士などの専門家に相談することから始めましょう。 中小企業庁も「事業承継ガイドライン」を策定し、早期の準備と専門家への相談の重要性を説いています。 相談と並行して、自社の事業内容や財務状況、強み・弱みを客観的に整理し、希望する譲渡価格や条件を明確にしておくことが大切です。

    譲渡価格の目安がわからない場合は、オンラインの無料診断などを活用して、自社の事業価値の相場観を把握しておくのも一つの方法です。大まかな価値を知ることで、その後の交渉を有利に進めやすくなります。
    >>会社・事業の売却相場を無料で診断する

    ステップ2:譲渡先の選定(マッチング)

    専門家のサポートを受けながら、自社の事業を引き継いでくれる候補先を探します。候補先が見つかり、具体的な検討に進む段階で、情報漏洩を防ぐために「秘密保持契約(NDA)」を締結します。

    ステップ3:トップ面談と基本合意

    売り手と買い手の経営者同士が面談し、お互いの経営理念や事業に対する想い、将来のビジョンなどを共有します。 条件交渉を経て、双方が大筋で合意に至った場合、譲渡価格やスケジュールなどの基本的な条件を定めた「基本合意書(LOI)」を締結します。ただし、基本合意書には通常、法的な拘束力はありません。

    ステップ4:デューデリジェンス(DD)の実施

    基本合意後、買い手によって売り手の事業内容や財務状況、法務リスクなどに関する詳細な調査(デューデリジェンス)が行われます。 売り手は、要求された資料を速やかに提出するなど、誠実な協力姿勢が求められます。この調査結果をもとに、最終的な譲渡条件が交渉されます。

    ステップ5:最終契約の締結

    デューデリジェンスと最終交渉を経て、双方がすべての条件に合意したら、「事業譲渡契約書」を締結します。 この契約書は、譲渡対象となる資産・負債の範囲、譲渡価格、従業員の処遇、競業避止義務など、取引のすべてを法的に確定させる最も重要な書類です。

    ステップ6:事業の引き継ぎと対価の決済

    契約書で定めた譲渡日(クロージング日)に、事業用資産の名義変更、従業員の転籍手続き、取引先への挨拶など、事業の引き継ぎ(クロージング)を行います。 買い手から譲渡代金の決済が完了したことを確認し、一連の手続きは完了です。譲渡後は、売り手として税務署に「個人事業の廃業届出書」などを提出する必要があります。

    事業譲渡で必要になる主な書類

    事業譲渡の各ステップでは、さまざまな書類が必要となります。不備なく準備することで、手続きを円滑に進めることができます。

    • 秘密保持契約書(NDA):交渉の初期段階で、譲渡先候補に内部情報を提供する際に締結します。
    • 基本合意書(LOI):トップ面談後、基本的な譲渡条件について合意した際に締結します。
    • 事業譲渡契約書:最終的な合意内容をすべて盛り込んだ、法的に有効な契約書です。
    • 財務関連書類:確定申告書、青色申告決算書、試算表、資産・負債の一覧表など。
    • 資産関連書類:不動産登記簿謄本、固定資産台帳、リース契約書など。
    • 契約関連書類:取引基本契約書、賃貸借契約書(店舗・事務所)など。
    • 従業員関連書類:従業員名簿、労働条件通知書、雇用契約書、転籍同意書など。
    • 許認可関連書類:営業許可証、各種届出書類など。

    個人事業主の事業譲渡にかかる税金

    個人事業主が事業を譲渡して利益(譲渡益)を得た場合、その利益に対して所得税、住民税、復興特別所得税がかかります。 譲渡益は、譲渡する資産の種類によって所得区分が異なり、税金の計算方法も変わるため注意が必要です。

    譲渡資産の種類 所得区分 課税方式
    土地、建物 譲渡所得 分離課税
    営業権(のれん)、機械、車両など 譲渡所得 総合課税
    棚卸資産(商品、在庫など) 事業所得 総合課税

    (出典:国税庁の情報を基にNexoValue編集部作成)

    特に、営業権や機械などの譲渡所得(総合課税)は、他の所得(事業所得や給与所得など)と合算した上で税額が計算されるため、所得金額によっては高い税率が適用される可能性があります。

    また、売り手が消費税の課税事業者である場合、建物や機械、営業権などの課税資産の譲渡に対して消費税が課されます。 土地や売掛金などは非課税です。事業譲渡契約書で、資産ごとの対価を明確に区分しておくことが重要です。 税金の計算は非常に複雑なため、必ず税理士などの専門家に相談しましょう。

    事業譲渡を成功させるための注意点

    個人事業主の事業譲渡では、法人と異なる特有の注意点があります。トラブルを未然に防ぎ、円滑な引き継ぎを実現するために、以下のポイントを押さえておきましょう。

    従業員の処遇を明確にする

    事業譲渡では、従業員の雇用契約は自動的に買い手へ引き継がれません。 従業員が買い手の会社へ移る(転籍する)ためには、従業員一人ひとりから個別に同意を得る必要があります。 譲渡を理由に一方的に解雇することは原則として認められません。 従業員の不安を解消し、事業の継続性を損なわないためにも、労働条件や待遇について買い手と十分に協議し、従業員へ丁寧に説明することが不可欠です。

    取引先との契約を確認する

    従業員と同様に、取引先との契約も自動的には引き継がれません。 買い手が取引を継続するためには、原則として取引先から個別に承諾を得て、契約を巻き直す必要があります。 特に、事業の根幹に関わる重要な取引先には、事前に経営者が直接説明に伺うなど、丁寧な対応が求められます。

    許認可の引き継ぎを確認する

    飲食店営業許可や建設業許可など、事業に必要な許認可は、原則として譲渡することができません。 買い手は、新たに自身の名義で許認可を取得し直す必要があります。 許認可の取得には時間がかかる場合があり、その間は営業ができない「空白期間」が生じるリスクもあります。 譲渡のスケジュールを立てる際は、許認可の再取得にかかる期間を考慮し、管轄の行政庁に事前に確認することが重要です。

    競業避止義務について

    事業譲渡契約では、売り手が一定期間、譲渡した事業と同一または類似の事業を特定の地域で行うことを禁止する「競業避止義務」が定められるのが一般的です。 これは、買い手の事業を守るための条項ですが、売り手にとっては職業選択の自由を制限されることになります。契約を締結する前に、禁止される期間や地理的範囲、事業の範囲が妥当なものか、専門家を交えて慎重に確認しましょう。

    まとめ

    個人事業主の事業譲渡は、法人のM&Aとは異なり、資産や契約を個別に引き継ぐ必要があるため、手続きが煩雑になりがちです。 特に、従業員や取引先の同意、許認可の再取得は、計画通りに進まないと事業の価値を損なうことにもなりかねません。

    後継者問題などで事業の将来に悩んでいる個人事業主の方は、廃業という選択肢だけでなく、事業譲渡による事業承継も視野に入れてみてはいかがでしょうか。円滑な事業譲渡を実現するためには、早期からの準備と、M&Aや税務に詳しい専門家のサポートが不可欠です。

    まずは自社の事業にどれくらいの価値があるのかを客観的に把握することから、次世代へのバトンタッチに向けた第一歩を踏み出してみましょう。
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  • 薬局買収の資金調達|自己資金・融資・公的制度の選択肢

    薬局買収の資金調達

    資金調達の主な選択肢

    薬局買収の資金調達には、①自己資金、②民間金融機関からの融資、③日本政策金融公庫の
    事業承継・買収向け融資制度、等の選択肢があります。

    結論から先に

    この記事で分かること

    • 資金調達の主な選択肢
    • 日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」
    • 資金計画を立てる際の注意点
    • M&A・事業承継のご相談
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    日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」

    事業承継・買収を目的とした公的融資制度として、日本政策金融公庫の
    「事業承継・集約・活性化支援資金」があります。国民生活事業・中小企業事業の2種類があります。日本政策金融公庫の公式サイト(2026年9月確認)によれば、国民生活事業向けのこの制度は通常枠とは別枠で7,200万円まで利用でき、返済期間は設備資金20年以内(据置5年以内)・運転資金10年以内(据置5年以内)とされています。対象となるのは、①中期的な事業承継計画を策定している方、②経営権確保により承継・集約を行う方、③経営承継円滑化法の認定を受けた方、④経営者の個人保証免除を金融機関に申し入れた方、⑤事業承継・集約を契機に第二創業やPMIに取り組む方、のいずれかに該当する場合です。経営者保証免除特例制度と併用できる制度として公式サイトに明記されていますが、適用される金利区分(基準利率・特別利率A・特別利率Bのいずれになるかは対象者区分により異なります)や審査基準の詳細は個別の事情によって異なるため、必ず公式サイトまたは最寄りの窓口で最新情報を確認してください。なお中小企業事業向けにも同名の制度がありますが、融資限度額等の詳細条件は本記事では確認できていません(要問い合わせ)。

    資金計画を立てる際の注意点

    資金計画では、自己資金比率をどの程度確保できるか、既存事業のキャッシュフローで返済を賄えるかが審査上重視される傾向があります。「必ず借りられる」ものではなく、事業計画の具体性・返済原資の説明力が審査に影響するとされています。

    まとめ

    資金調達は買収の成否を左右する重要な要素です。早い段階での相談が推奨されます。


    M&A・事業承継のご相談

    薬局・病院・クリニック・介護施設・訪問看護・在宅医療のM&A、事業承継、譲渡・買収について、ご相談を承っています。売却を決めていない段階での情報収集・現状整理のみのご相談も可能です。

    • M&A・事業承継のご相談
    • 薬局・病院・介護施設の譲渡のご相談
    • 在宅・介護分野の経営コンサルティング
    • 営業支援

    お問い合わせ:pharma-ma@g-aid.co.jp

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  • 薬局M&Aで失敗するケース|起きやすい問題と防ぎ方

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    結論から先に

    この記事で分かること

    • 交渉が途中で止まるケース
    • 成立後に問題になるケース
    • 防ぐために
    • 個別のご相談
    • ご留意事項

    成立しなかった案件、成立後に想定と違った案件には、繰り返し現れる型があります。

    交渉が途中で止まるケース

    開示内容と実態が違った:買収監査で修正が必要になり、条件が見直される。
    事前の棚卸しで防げる部分が大半です。

    資金の目処が立たなかった:買い手側の調達が確定しないまま基本合意まで
    進んでしまう。金融機関への事前相談の有無で分かれます。

    譲渡形態を後から変えた:株式譲渡の前提で進めていたが事業譲渡に変わり、
    許認可手続きが必要になってスケジュールが崩れる。

    成立後に問題になるケース

    薬剤師が離職した:説明のタイミングや条件変更が原因で、引き渡し直後に
    人員が抜け、開局を維持できなくなる。

    処方箋が減った:対応品質の変化や窓口の混乱で、処方元との関係が細る。

    在庫・未収の扱いが曖昧だった:引き継ぎ範囲を契約で明確にしていなかったため、
    引き渡し後に精算でもめる。

    防ぐために

    • 準備段階で資料を揃え、実態と説明を一致させる
    • 価格より先に、人員・雇用・許認可の論点を詰める
    • 統合を急がず、引き渡し後の移行期間を契約に織り込む
    • 税務・法務・薬事は、それぞれの有資格者・所管窓口に確認する

    個別のご相談

    具体的な状況に応じた進め方・論点整理は個別にご相談ください。
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    ご留意事項

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    保証するものではありません。個別の税務・法務・薬事の判断は、税理士・弁護士・
    行政書士等の有資格者および所管の保健所・厚生局にご確認ください。

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  • 株式譲渡と事業譲渡|薬局ではどちらを選ぶのか

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    結論から先に

    この記事で分かること

    • 株式譲渡
    • 事業譲渡
    • 選択の実務
    • 個別のご相談
    • ご留意事項

    譲渡形態の選択は、手続き・税務・引き継ぎ範囲のすべてに影響します。

    株式譲渡

    法人の株式を譲り渡す方法です。法人がそのまま存続するため、
    許認可・契約・雇用は原則として継続します。

    • 手続きは比較的簡便
    • 簿外債務や過去の係争も含めて引き継ぐ
    • 買い手は買収監査を厚く行う傾向がある
    • 個人薬局(法人でない)では選択できない

    事業譲渡

    薬局の資産・契約を個別に譲り渡す方法です。

    • 引き継ぐ対象を選べる(不要な資産・負債を残せる)
    • 契約は個別に相手方の同意が必要
    • 雇用契約も結び直しになる
    • 薬局開設許可は承継されないのが原則で、譲受側での新規申請が必要
    • 手続きに時間がかかる

    選択の実務

    法人格を持つ複数店舗の譲渡では株式譲渡、個人薬局や1店舗のみの切り出しでは
    事業譲渡が選ばれることが多くあります。ただし、簿外債務の懸念がある場合や、
    一部店舗だけを譲りたい場合は、法人であっても事業譲渡が選ばれます。

    税務上の扱いは形態によって大きく異なるため、方針を決める前に税理士へ
    確認することを強く推奨します。


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  • 処方元とは?薬局M&A後に処方元との関係をどう引き継ぐか

    薬局の収益は処方元に強く依存します。譲渡後に処方箋が維持されるかどうかは、
    買い手にとって最大の関心事です。

    結論から先に

    この記事で分かること

    • 処方元との関係の性質
    • 引き継ぎで実務的に行うこと
    • 注意すべき点
    • 個別のご相談
    • ご留意事項

    処方元との関係の性質

    処方元との関係には契約があるわけではなく、日々の対応の積み重ねで成り立っています。
    そのため「引き継ぐ」ためには、関係の中身を分解して移管する必要があります。

    • 疑義照会や在庫対応など、日常業務での対応品質
    • 在宅・施設での連携(担当者、訪問頻度、記録の共有方法)
    • 経営者個人との人間関係

    引き継ぎで実務的に行うこと

    • 譲渡の事実と今後の体制を、適切な時期に処方元へ説明する
    • 対応窓口を明確にし、譲渡直後の問い合わせが滞らないようにする
    • 在庫・発注のルールを変える場合は、欠品が起きないよう移行期間を設ける
    • 在宅の訪問スケジュールと記録を引き継ぐ

    注意すべき点

    医薬品の供給や患者紹介に関して、法令上許されない利益供与や誘引に当たる行為を
    条件に含めることはできません。処方元との関係については、あくまで通常の
    業務上の連携の範囲で引き継ぎを設計します。

    譲渡直後に対応品質が落ちると処方箋が流出します。統合を急ぎすぎないことが、
    結果的に収益の維持につながります。


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  • M&A後の従業員|雇用はどうなるのか

    従業員の処遇は、売り手が最も気にする論点であり、条件交渉の中心になることもあります。

    結論から先に

    この記事で分かること

    • 譲渡形態による違い
    • 実務で論点になること
    • 説明のタイミング
    • 売り手が条件にできること
    • 個別のご相談

    譲渡形態による違い

    株式譲渡:雇用契約の当事者である法人が存続するため、雇用関係はそのまま
    継続するのが原則です。

    事業譲渡:雇用契約は当然には移りません。譲受側との間で新たに雇用契約を
    結び直す形になり、本人の同意が必要です。

    実務で論点になること

    • 給与・賞与の水準を維持するか
    • 勤続年数と有給休暇を引き継ぐか
    • 退職金制度の取り扱い
    • 勤務地変更(異動)の可能性
    • 就業規則・評価制度の統合時期

    説明のタイミング

    従業員への説明が早すぎると、成立前に不安が広がって離職につながります。
    遅すぎると、引き継ぎに必要な協力を得にくくなります。
    実務では最終契約の締結後、引き渡しまでの間に、譲受側と同席して説明する形が
    とられることが多くあります。

    売り手が条件にできること

    雇用の維持や条件の据え置きは、契約条項として盛り込むことができます。
    価格だけでなく、こうした条件をどこまで残せるかも交渉の対象です。


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  • M&A後の管理薬剤師|誰が務め、何を届け出るのか

    譲渡後も薬局を開け続けるには、管理薬剤師が常時いる状態を維持しなければなりません。

    結論から先に

    この記事で分かること

    • 基本の考え方
    • 実務でよくある構図
    • 契約で決めておくこと
    • 個別のご相談
    • ご留意事項

    基本の考え方

    薬機法上、薬局には管理薬剤師を置く必要があります。譲渡によって管理薬剤師が
    変わる場合、変更の届出が必要です。届出先・様式・期限は所管の保健所によって
    運用が異なるため、スケジュールは事前相談で確定させます。

    実務でよくある構図

    • 売り手(経営者本人)が管理薬剤師だった場合:譲受側が後任を用意するか、
      本人が一定期間残る取り決めをする
    • 雇用されている管理薬剤師が続投する場合:雇用条件の引き継ぎを契約で明確にする
    • 譲受側から新たに配置する場合:引き継ぎ期間を設け、業務手順を移管する

    契約で決めておくこと

    • 管理薬剤師の続投を譲渡の条件にするか
    • 続投する場合の雇用条件(給与、役職、勤務地変更の可否)
    • 売り手が残る場合の期間・立場・報酬
    • 想定通りに人員が確保できなかった場合の取り扱い

    管理薬剤師が確保できないと開局を維持できないため、この論点は価格より先に
    詰めておくべき項目です。


    個別のご相談

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