NexoValue

薬剤師のキャリアと、薬局・医療・介護の事業承継を実務目線で解説するメディア

M&Aマッチングサイトで会社を買う手順|登録から交渉までの使い方

執筆者:

カテゴリ:

【広告表示について】当サイトはアフィリエイト広告により運営しています。本記事には広告リンクは含まれていません。広告を掲載する記事には冒頭にその旨を表示します。

結論から先に

この記事で分かること

  • M&Aマッチングサイトとは?
  • M&Aマッチングサイトで会社を買う手順
  • 会社を買う前に確認すべき重要ポイント(デューデリジェンス)
  • M&Aの最終契約とクロージング
  • M&Aの資金調達方法

M&Aマッチングサイトとは?

M&Aマッチングサイトは、事業や会社を「売りたい人」と「買いたい人」をオンライン上で結びつけるプラットフォームです。 従来、M&Aは専門の仲介会社を通じて行われるのが一般的でしたが、マッチングサイトの登場により、個人や中小企業でも比較的低コストで、多くの案件情報にアクセスできるようになりました。 サイトには、事業内容、希望売却価格、地域などの条件が匿名で掲載されており、買い手は自らの条件に合う候補を効率的に探すことが可能です。

仕組みとメリット・デメリット

M&Aマッチングサイトの基本的な仕組みは、売り手が自社の情報を匿名で登録し、買い手がその情報を見て交渉を申し込むという流れです。 双方の合意が取れると、秘密保持契約(NDA)を締結した上で、より詳細な情報が開示され、本格的な交渉が始まります。

メリット

  • 豊富な選択肢:多くの案件が登録されているため、幅広い選択肢の中から自社の希望に合う候補を探せます。
  • コストの抑制:従来のM&A仲介に比べ、手数料が安価な傾向があります。 サイトによっては、成約まで費用がかからない完全成功報酬制を採用している場合もあります。
  • 効率性:オンラインで時間や場所を問わずに案件を探せるため、効率的にM&Aプロセスを進められます。

デメリット

  • 自己責任での交渉:案件探しから交渉、契約まで、基本的に当事者間で進める必要があります。
  • 情報の正確性:掲載されている情報が必ずしも正確とは限らないため、買い手自身がその真偽を見極める必要があります。
  • 専門知識の必要性:交渉や契約手続きには、財務や法務などの専門知識が求められる場面があります。

手数料の体系

M&Aマッチングサイトの手数料体系は、サイトによって大きく異なります。 主な手数料には、登録料、月額利用料(リテイナーフィー)、M&A成立時に支払う成功報酬などがあります。

  • 相談料:初回の相談時に発生する費用ですが、無料の仲介会社も多いです。
  • 着手金:業務委託契約時に支払う費用で、M&Aが成立しなくても返金されないのが一般的です。
  • 中間金:基本合意書の締結時などに支払う費用です。
  • 成功報酬:M&Aが成約した際に支払う費用です。計算基準は、譲渡価格や移動総資産など、契約によって異なります(レーマン方式など)。

売り手と買い手のどちらに、どの時点で費用がかかるかはサイトごとに異なります。小規模なM&Aでは、最低報酬額が設定されている場合もあるため、契約前に料金体系を詳細に確認することが重要です。

M&Aマッチングサイトで会社を買う手順

M&Aマッチングサイトを利用した会社買収は、一般的に「サイト登録」「案件探し」「交渉」「契約」という流れで進みます。 個人が会社を買う場合も、基本的な手順は法人と同じです。

ステップ1:サイトの選定と登録

まず、自社の目的に合ったM&Aマッチングサイトを選び、会員登録を行います。サイトによって、個人でも登録可能か、手数料体系、サポート体制などが異なるため、事前に比較検討することが大切です。 登録時には、買収を希望する業種、地域、予算などの条件を具体的に入力します。

ステップ2:案件の検索と絞り込み

登録した条件に基づき、売り手企業(譲渡案件)を検索します。多くのサイトでは、匿名化された企業情報(ノンネームシート)を閲覧できます。 気になる案件を見つけたら、詳細情報を確認し、交渉に進むかどうかを検討します。最初は条件を広く設定し、多くの案件に目を通して相場観を養うことも有効です。

ステップ3:売り手へのアプローチと情報開示

買収したい案件が見つかったら、サイトを通じて売り手に交渉をリクエストします。 売り手が関心を示せば、まず秘密保持契約(NDA)を締結します。NDA締結後、売り手からより詳細な事業内容や財務情報が開示され、具体的な検討に入ります。

ステップ4:トップ面談と条件交渉

開示された情報を基に、売り手の経営者とのトップ面談を行います。面談では、事業内容や譲渡理由、従業員の状況などを直接ヒアリングし、経営理念や企業文化への理解を深めます。その後、譲渡価格や譲渡範囲、従業員の処遇といった具体的な条件交渉を進めます。

ステップ5:基本合意書の締結

交渉がある程度進み、双方が大筋で合意に至った段階で「基本合意書(MOU)」を締結します。 基本合意書には、現時点での合意内容(譲渡価格の概算、取引スキームなど)や、今後のスケジュール、デューデリジェンスへの協力義務などが記載されます。
一般的に、基本合意書における譲渡価格などの主要条件に法的拘束力はありませんが、「独占交渉権」や「秘密保持義務」といった条項には法的拘束力を持たせることが通常です。 独占交渉権とは、一定期間、他の買い手候補との交渉を禁止する権利で、買い手にとっては安心して次の調査(デューデリジェンス)に進むための重要な取り決めです。

会社を買う前に確認すべき重要ポイント(デューデリジェンス)

基本合意書を締結した後、買い手は売り手企業の実態を詳細に調査する「デューデリジェンス(DD)」を実施します。 DDは、買収後に予期せぬリスク(簿外債務など)が発覚することを防ぎ、企業価値を正しく評価するために不可欠なプロセスです。 DDの結果次第では、譲渡価格の見直しや、最悪の場合はM&Aの中止もあり得ます。

事業DD:事業の強み・弱み、市場環境の確認

ビジネスデューデリジェンスでは、対象事業の将来性や競争優位性を評価します。 市場の動向、競合他社の状況、主要な取引先との関係、ビジネスモデルの持続可能性などを分析し、買収後に見込める相乗的な利点や事業リスクを洗い出します。

財務DD:決算書、資産・負債の実態把握

財務デューデリジェンスは、決算書などの財務諸表が実態を正確に反映しているかを確認する調査です。 収益性やキャッシュフローの状況、資産・負債の内容を精査します。特に中小企業では、経営者個人との資金の貸し借りや、帳簿に載っていない「簿外債務」(未払残業代や保証債務など)が存在する可能性があるため、重点的な確認が必要です。

法務DD:契約関係、許認可、訴訟リスクの確認

法務デューデリジェンスでは、法的なリスクがないかを調査します。 重要な取引先との契約内容、従業員との雇用契約、事業に必要な許認可が適切に取得・維持されているか、訴訟を抱えていないかなどを確認します。 許認可の種類によっては、M&Aの手法(株式譲渡か事業譲渡か)によって承継の可否が異なるため、事前の確認が不可欠です。

専門家(M&Aアドバイザー、弁護士、会計士)の活用

デューデリジェンスは高度な専門知識を要するため、公認会計士や弁護士などの専門家に依頼するのが一般的です。 M&Aマッチングサイトはあくまで「出会いの場」を提供するサービスであり、交渉や調査は自己責任となるケースが多いため、専門家と連携して慎重に進めることが大切です。

事業や薬局の買収を検討しているものの、どこから案件を探せばよいかわからないという方は、NexoValueの無料登録をご利用ください。希望の業種・地域・予算を登録しておくと、条件に合う公開案件が見つかったときにお知らせします。

事業・薬局を買いたい方の無料登録(NexoValue)

M&Aの最終契約とクロージング

デューデリジェンスで大きな問題がなければ、M&Aの最終段階に進みます。

最終契約書(SPA)の締結

DDの結果を踏まえ、最終的な譲渡条件を確定させ、「最終契約書(SPA:Stock Purchase Agreementなど)」を締結します。 この契約書には、最終的な譲渡価格、譲渡日、従業員の処遇、表明保証(開示した情報が真実であることの保証)など、法的な拘束力を持つ詳細な条件が盛り込まれます。

対価の決済と株式・資産の移転(クロージング)

最終契約書で定められた譲渡実行日(クロージング日)に、買い手は売り手へ譲渡対価を支払い、売り手は買い手へ会社の株式や事業資産を移転します。 これにより、M&Aの取引が完了します。

M&Aスキームと許認可の引継ぎ

M&Aの手法には主に「株式譲渡」と「事業譲渡」があり、どちらを選ぶかによって許認可の引継ぎ手続きが異なります。

  • 株式譲渡:会社の経営権そのものを移転する手法です。会社の法人格は存続するため、会社が保有する許認可や契約関係は原則としてそのまま引き継がれます。手続きが比較的簡便なのが特徴です。
  • 事業譲渡:会社の事業の一部または全部を譲渡する手法です。資産や負債、契約などを個別に移転させるため、買い手は必要な資産だけを選んで引き継ぎ、簿外債務などのリスクを切り離しやすいメリットがあります。 一方で、許認可は自動では引き継がれません。買い手が新たに取得するか、業種によっては承継の手続きが必要になるため、所管の役所に事前に確認します。

M&Aの資金調達方法

会社の買収には多額の資金が必要です。自己資金だけで賄えない場合は、融資の活用を検討します。日本政策金融公庫には、事業承継やM&Aで事業を譲り受ける中小企業・個人事業主が使える融資制度(事業承継・集約・活性化支援資金)があります。 融資の限度額や利率、対象になる条件は改定されることがあるため、申し込みの前に日本政策金融公庫の事業承継支援のページと最寄りの支店で確認してください。

まとめ

M&Aマッチングサイトは、個人や中小企業が会社や事業を買収する上で強力なツールです。 豊富な案件から効率的に候補を探せる一方、交渉や調査は自己責任で行う必要があり、財務や法務の専門知識が求められます。

サイトの登録から案件探し、交渉、基本合意、そして最も重要なデューデリジェンス、最終契約まで、各ステップで確認すべきポイントを確実に押さえることが成功の鍵です。特にデューデリジェンスでは、簿外債務や契約リスクなど、帳簿に現れない問題を見抜く必要があります。 必要に応じて弁護士や会計士などの専門家を活用し、日本政策金融公庫の融資制度なども視野に入れながら、慎重にプロセスを進めましょう。

## 関連記事

– [薬局はいくらで売れる?企業価値評価の考え方と相場感【M&A仲介の実務目線】](https://nexovalue.com/cnt-m2-pharmacy-value/)
– [薬局を買って独立する方法|ゼロ開局よりリスクを抑える買収という選択肢](https://nexovalue.com/cnt-m3-buy-independence/)
– [後継者不在の薬局はどうすればいい?廃業・事業承継・M&Aの選択肢を比較](https://nexovalue.com/cnt-m4-successor-options/)
– [薬局M&Aとは|仕組みと基本的な流れをわかりやすく解説](https://nexovalue.com/cnt-s4-manda-basics/)

関連記事

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です