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2社間ファクタリングと3社間ファクタリングは何が違うのか
ファクタリングは、事業者が持つ売掛債権(請求書)をファクタリング会社に買い取ってもらい、支払期日より前に資金化するサービスです。同じファクタリングでも「2社間」と「3社間」では契約の当事者が異なり、それに伴って通知の要否・入金までの速さ・手数料の水準が変わります。どちらが自社に合うかを決める前に、まず仕組みの違いを整理します。
契約の当事者が違う
2社間ファクタリングは、利用者(売掛金を持つ会社)とファクタリング会社の2者だけで契約が成立します。3社間ファクタリングは、利用者・ファクタリング会社・売掛先(取引先)の3者が関わる契約です。
売掛先への通知・承諾が必要かどうか
最も大きな違いはここです。2社間では、売掛債権を譲渡したことを売掛先に知らせる必要がありません。自社とファクタリング会社の間だけで契約が完結するため、取引先にファクタリングを利用した事実を知られずに資金調達できます。
一方、3社間では売掛先に債権譲渡の事実を通知し、承諾を得ることが前提になります。売掛先は「今後の支払いはファクタリング会社へ直接行う」ことを了承したうえで契約に加わります。
入金までのスピードの違い
2社間は売掛先の承諾を待つ必要がないため、書類の準備と審査さえ整えば、申込から入金までを短期間で進めやすい形態です。オンライン完結型のサービスであれば、即日での入金を案内しているところもあります。
3社間は売掛先への説明・承諾書の取り付けという手順が加わるため、申込から入金までに数日から1週間、場合によってはそれ以上かかることがあります。急ぎの資金調達では2社間が選ばれやすい理由はここにあります。
手数料の違い
2社間は3社間よりも手数料が高めに設定される傾向があります。理由は、ファクタリング会社が負うリスクの大きさです。3社間では売掛先が直接ファクタリング会社へ支払うため、資金の流れが明確で回収不能リスクが低く抑えられます。2社間では、いったん利用者の口座に売掛金が入り、その後ファクタリング会社へ送金する流れになるため、利用者が資金を別の用途に使ってしまう、あるいは他の債権者に差し押さえられるといったリスクをファクタリング会社が引き受けることになり、その分が手数料に反映されます。
目安として、2社間は売掛金額の1割台〜3割程度、3社間はそれより低い水準になりやすいとされています。実際の手数料は売掛先の信用力や債権の金額・支払期日までの期間によって個別に決まるため、必ず見積もりで確認してください。
債権譲渡登記との関係
2社間では売掛先への通知を行わないため、ファクタリング会社が「この債権は確かに買い取った」ことを第三者に主張できるように、法人が対象の場合は債権譲渡登記を求められることがあります。登記には費用と手間がかかりますが、これは2社間特有の事情です。
3社間では売掛先自身が債権譲渡を承諾しているため、登記を行わずに契約できるケースが一般的です。個人事業主は登記制度の対象外であるなど、事業形態によっても扱いが異なります。
償還請求権(ノンリコース)の考え方
正規のファクタリング会社が提供するサービスは、売掛先が万が一支払えなくなった場合でも利用者に返済を求めない「償還請求権なし(ノンリコース)」が基本です。これは2社間・3社間のどちらの形態でも共通する考え方で、ファクタリングが「債権の売買」であり「貸付」ではないことの根拠にもなっています。逆に、償還請求権付き(利用者に返済義務が生じる契約)は実質的な貸付とみなされる可能性があるため、契約書で償還請求権の有無を必ず確認してください。
どちらを選ぶべきか
取引先に知られたくない場合
資金繰りの状況を取引先に知られたくない、あるいは今後の取引関係に影響を与えたくない場合は、通知の要らない2社間が選ばれています。手数料は高めですが、スピードと秘匿性を優先する場面に向いています。
手数料を抑えたい場合
取引先との関係上、事情を説明できる、あるいは継続的に同じ売掛先との取引がありファクタリングの利用を伝えても問題がない場合は、手数料の低い3社間を検討する余地があります。入金までの時間に余裕があることが前提です。
それぞれの手続きの流れ
2社間ファクタリングの流れ
- 請求書・契約書・通帳のコピーなど必要書類を準備して申し込む
- ファクタリング会社が売掛先の信用力と債権の内容を審査する
- 契約条件(手数料・債権譲渡登記の要否)を確認し、契約を締結する
- ファクタリング会社から利用者の口座へ入金される
- 支払期日に売掛先から利用者の口座へ入金された売掛金を、ファクタリング会社へ送金する
最後の送金までが利用者の役割として残るため、送金を忘れる・別の支払いに充ててしまうといったトラブルを避ける必要があります。
3社間ファクタリングの流れ
- 必要書類を準備して申し込む
- ファクタリング会社が売掛先へ債権譲渡について説明し、承諾を得る
- 利用者・ファクタリング会社・売掛先の3者で契約を締結する
- ファクタリング会社から利用者の口座へ入金される
- 支払期日に、売掛先からファクタリング会社へ直接支払われる
利用者が売掛金を一時的に預かる工程がないため、送金忘れなどのリスクがそもそも発生しません。
よくある疑問
今は2社間でも、後から3社間に切り替えられるか
ファクタリング会社によって扱いは異なります。継続的に取引があるファクタリング会社であれば、案件ごとに2社間・3社間を選べる場合もあるため、契約前に確認しておくと状況に応じて使い分けやすくなります。
売掛先が3社間を拒否したらどうなるか
3社間は売掛先の承諾が前提のため、承諾を得られなければ契約が成立しません。取引先との関係上、事情を説明しにくい場合は、通知の不要な2社間を検討することになります。
個人事業主でも3社間を利用できるか
個人事業主でも3社間ファクタリングを扱っているファクタリング会社はあります。ただし売掛先が法人であることなど、対象となる条件は会社ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
申込前に確認すること
申込前に確認すること
- ✓2社間・3社間のどちらの契約になるか、契約書で明記されているか
- ✓償還請求権の有無(ノンリコースかどうか)
- ✓債権譲渡登記が必要かどうか、登記費用は誰が負担するか
- ✓手数料の内訳(買取手数料以外に費用がかかるか)
- ✓売掛先への通知・承諾のタイミングと方法(3社間の場合)
複数のファクタリング会社を比較すると、同じ売掛債権でも提示される契約形態や手数料が異なることがあります。オンラインで見積もりを取れるサービスであれば、来店せずに条件を比較できます。まずは
のようなサービスで、自社の売掛金がどちらの契約形態でいくらになるか確認してみることをおすすめします。
用意するのは決算書・請求書・通帳コピーの3点だけ。見積もりだけで終わっても構いません。
法人・個人事業主が対象。売掛先が個人の場合は対象外です。手数料率・入金時期は申込内容により異なります(金額は株式会社No.1公式サイトの記載)。
まとめ
2社間ファクタリングは売掛先への通知が不要でスピードを優先できる一方、手数料は高めで債権譲渡登記を求められることがあります。3社間ファクタリングは売掛先の承諾が前提になる分、手数料を抑えやすく登記も不要になりやすいものの、入金までに時間がかかります。どちらが良い・悪いではなく、取引先との関係や資金が必要な時期に応じて選ぶのが基本です。契約前には、償還請求権の有無と手数料の内訳を必ず書面で確認してください。
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