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日本政策金融公庫のM&A融資|事業承継資金の申込手順と必要書類

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結論から先に

この記事で分かること

  • 個人M&Aの買収資金、どう調達する?
  • 事業承継・集約・活性化支援資金の概要
  • 【5ステップ】M&A融資の申込から実行までの流れ
  • 審査で重要視されるポイント

個人M&Aの買収資金、どう調達する?

個人や中小企業がM&A(企業の合併・買収)によって事業を譲り受ける際、大きな課題となるのが買収資金の調達です。自己資金だけでまかなうのは難しいケースも多く、金融機関からの融資が重要な選択肢となります。中でも、政府が全額出資する公的な金融機関である日本政策金融公庫は、中小企業や個人事業主の事業承継を積極的に支援しており、M&Aの資金調達においても心強い味方です。

日本政策金融公庫には、M&Aや事業承継に活用できる融資制度が複数用意されています。 本記事では、その中でも代表的な「事業承継・集約・活性化支援資金」を中心に、制度の概要から申込手順、必要書類、審査のポイントまでを具体的に解説します。

日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」とは

「事業承継・集約・活性化支援資金」は、事業承継やM&Aに取り組む事業者を資金面から支援するための融資制度です。 親族内承継だけでなく、従業員承継や第三者承継(M&A)など、幅広いケースで利用できます。 また、事業を譲り渡す側だけでなく、譲り受ける側も対象となるのが特徴です。

この制度は、事業規模に応じて「国民生活事業」と「中小企業事業」の2つの窓口があります。 個人事業主や小規模なM&Aの場合は主に国民生活事業、比較的規模の大きい中堅・中小企業の場合は中小企業事業が窓口となります。 どちらに相談すべきかを含め、まずは最寄りの支店に問い合わせてみるのが確実です。

事業承継・集約・活性化支援資金の概要

M&Aでの活用を念頭に、制度の主な内容を確認しましょう。なお、金利や制度の詳細は変更される可能性があるため、必ず最新の公式情報を確認してください。

対象となる方

この融資制度は、主に以下のような方が対象となります。いずれかの要件に該当すれば申し込むことが可能です。

  • 後継者と共に事業承継計画を策定し、おおむね10年以内に事業承継が見込まれる方
  • 株式取得などにより安定的な経営権を確保し、事業の承継・集約を行う方(譲受側・譲渡側の双方)
  • 事業承継を機に、経営多角化や事業転換などの新たな取り組みを図る方
  • 「中小企業経営承継円滑化法」の認定を受けた個人・法人

個人がM&Aで事業を譲り受ける場合も、これらの要件に該当すれば対象となります。

資金の使いみち

融資された資金は、事業承継に関わる幅広い用途に利用できます。

  • M&Aにおける株式取得資金
  • 事業譲渡における事業用資産(店舗、設備、在庫など)の取得資金
  • 事業承継後の運転資金(仕入費用、人件費など)
  • 承継を機に行う設備投資の資金

融資限度額と返済期間

融資限度額は事業規模や窓口によって異なります。国民生活事業では別枠7,200万円です(中小企業事業の限度額は公庫の該当ページで確認してください)。

国民生活事業の返済期間は、設備資金が20年以内、運転資金が10年以内で、いずれも5年以内の据置期間を含めることができます。

担保・保証人

担保・保証人について、公庫の案内では「お客さまのご希望を伺いながらご相談」とされています。 特に事業承継においては、後継者の負担を軽減するため、経営者保証を不要とする「経営者保証免除特例制度」を併用できる場合があります。 この特例を利用できるかどうかは審査によりますが、事業承継の大きなハードルである個人保証の問題を解消できる可能性があるため、相談してみる価値は大きいでしょう。

【5ステップ】M&A融資の申込から実行までの流れ

実際に融資を申し込む際の手順を、5つのステップに分けて解説します。

ステップ1:事前相談

まずは、日本政策金融公庫の支店窓口で事前相談を行います。 どのような事業を、いくらで、どのように買収したいのか、現時点での計画を伝えます。この段階で、利用できそうな融資制度や今後の流れ、必要書類についてのアドバイスを受けられます。

ステップ2:申込・必要書類の提出

相談内容を踏まえ、正式に融資を申し込みます。申込時には、所定の書類を提出する必要があります。 一般的に必要となる書類は以下の通りですが、個別の状況によって追加の書類を求められることもあります。

ステップ2:申込・必要書類の提出

  • 1借入申込書(公庫所定の様式)
  • 2企業概要書(会社の沿革、事業内容、株主構成などを記載)
  • 3【法人の場合】登記事項証明書、決算書(直近2〜3期分)
  • 4【個人の場合】確定申告書、本人確認書類
  • 5買収対象企業の資料(決算書、事業概要がわかるものなど)
  • 6M&Aに関する資料(株式譲渡契約書案、事業譲渡契約書案、基本合意書など)
  • 7事業承継計画書

特に「事業承継計画書」は、買収後の事業をどのように成長させていくかを示す重要な書類です。 なぜこの会社を買収するのか、どのようなシナジーが見込めるのか、具体的な数値目標や行動計画を盛り込み、実現可能性の高い計画を作成することが求められます。

ステップ3:審査・面談

書類提出後、公庫の担当者による審査が行われます。審査の過程では、担当者との面談が行われるのが一般的です。 面談では、提出書類の内容に基づき、事業計画の妥当性、経営者の経歴や能力、返済能力などについて詳しくヒアリングされます。M&Aに至った経緯や、買収後のビジョンを自身の言葉でしっかりと説明できるように準備しておくことが重要です。

ステップ4:契約手続き

審査に通過すると、融資決定の連絡があります。その後、融資契約の手続きに進みます。 契約書の内容をよく確認し、記名・押印します。

ステップ5:融資実行

契約手続き完了後、指定した金融機関の口座に融資金が振り込まれます。 これで一連の資金調達手続きは完了です。

審査で重要視されるポイント

M&A融資の審査では、特に以下の点が重要視される傾向にあります。

審査で重要視されるポイント

  • ✓事業計画の実現可能性: 買収後の事業が計画通りに進み、融資の返済が滞りなく行われるか、という点が最大のポイントです。絵に描いた餅ではなく、市場分析や具体的なアクションプランに裏付けられた、実現性の高い事業計画が求められます。
  • ✓自己資金の額: 融資希望額に対して、どの程度の自己資金を準備しているかも見られます。全額を融資に頼るのではなく、一定の自己資金があることで、事業への本気度やリスク負担能力を示すことができます。
  • ✓経営者の経験と能力: 譲り受ける事業分野での経験や、経営者としての能力も審査の対象です。これまでの経歴や実績を具体的に説明し、事業を成功に導ける人材であることをアピールする必要があります。
  • ✓買収対象企業の価値: 買収する企業の事業内容や財務状況、将来性が、買収価格に見合っているかどうかも評価されます。過度に高値での買収でないか、客観的な視点での判断が重要です。

M&Aの資金調達や事業計画の策定は、専門的な知識を要するプロセスです。融資の申し込みと並行して、M&Aの専門家やマッチングプラットフォームを活用し、客観的なアドバイスを得ることも有効です。事業や薬局の買収を検討している方は、無料登録から案件を探すこともできます。

まとめ

日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」は、個人や中小企業がM&Aに挑戦する際の強力な資金調達手段です。 設備資金で最長20年の返済期間を取ることができ、経営者保証免除特例制度を併用できる場合もあります。

一方で、融資を受けるためには、なぜその事業を買収し、どのように成長させていくのかという、説得力のある事業承継計画が不可欠です。 本記事で解説した手順とポイントを参考に、周到な準備を進めてください。公的融資制度を賢く活用し、M&Aによる事業の成功を目指しましょう。

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